杢目とは

  杢目とは木の中に現れる美しい模様のこと。年輪とは区別され、現れるのはごく稀です。巨木が自らの重みを支え、雨や風の影響を受けつつバランスを保とうとする力が、木の内部をねじれさせ、または湾曲させ、複雑な模様を作り上げると言われています。一本一本違う杢目はその木の生育条件を如実に反映したもの。杢目はいわばその木の生きざまそのものなのです。
↑ウォールナットの大テーブル。某自動車会社の副社長にお買い上げいただきました。デンマークに船便で発送。
↑楠の一枚板。はっきりした素直な杢目。シルバーに近い色合いで光っています。裏もとてもきれい。


杢目を生かすも殺すも木取り次第

  杢目は木の切り方によって大きく違った出方をします。「木取り」とよばれるこうした製材技術には、木を知り尽くした専門家の勘と知識がものを言います。木取りが杢目を創り出すと言っても過言ではないのです。
↑日光の二荒(ふたわら)山の大杉
屋久杉の表面の凹凸が激しい板。それを透明樹脂で埋め、平らに仕上げました。


杢目の種類

  杢目の種類にはナラなどの虎斑(とらふ)、カエデなどの鳥眼杢(ちょうがんもく、とりめもく)、トチノキやカエデなどの波状杢(はじょうもく)や縮み杢、ケヤキなどの玉杢(たまもく)、ハルニレの葡萄杢などが知られています。
  写真では分かりにくいですが、ナチュラルな光を宿し、奥行きの感じられる非常に美しい模様をしています。
↑葡萄杢
↑栃杢(業界では白身が珍重されますが、赤身部分もとてもきれいです)